果樹カメムシ、西日本で大量発生と予想。14県で注意報発表。
梨、リンゴやブドウに被害を与える害虫「果樹カメムシ類」の大量発生が予想されている。西日本ではすでに14県で発生予察注意報が発令。農家に警戒を促す。
果樹カメムシ類は「チャバネアオカメムシ」「クサギカメムシ」など、果樹に被害を及ぼす。本来は杉やヒノキなどの果実をエサとするが、隔年で増減を繰り返すため、2年おきに発生量が増加する。2020年は発生量の多い「表年」にあたる。4〜5月に兵庫県病害虫防除所が実施した調査では、チャバネアオカメムシの捕獲数が通常の表年の5.3倍と過去に例がない量となり、県全域に注意報が発令された。愛知、滋賀、山口、熊本では過去10年間で最多のカメムシが発生。ほかに富山、岐阜、奈良、岡山、香川、愛媛、福岡、佐賀、長崎の計14県で発令。
大量発生の要因としては、暖冬により冬の平均気温が高く、越冬した成虫が多かったためと推察。越冬したカメムシから生まれた幼虫は7月中旬以降に成虫に。今後発生する成虫の数も例年より多い可能性が高く、収穫前の果樹被害が深刻化する予想。実に袋をかけるなどの対策を施しても、カメムシは袋ごしに果汁を吸うため、飛来が確認された場合には速やかな薬剤散布が必要となる。
参考リンク:農林水産省