水稲高密度播種苗栽培に適した防除法の効果を確認。
水稲の高密度播種苗栽培は、苗箱数を減らすことができるため、生産費の削減や省力化が期待され、急速に普及が進んでいる。削減に伴い苗箱施用剤の施用量も減少するため、いもち病やイネミズゾウムシに対する防除効果への影響について、秋田県農業試験場が試験し確認した。
試験はすべて農業試験場内の圃場で行ない、品種は「ナツミノリ」を使用。いもち病は伝染源を設置し、イネミズゾウムシは調査する株を枠で囲い成虫を放虫することで実行。
2017~2019年に高密度播種苗(乾籾220~300g/箱)を用い、栽培密度を60株/坪と37株/坪に設定。薬剤を箱施用(50g/箱)した場合と側条施用(1㎏/10a)した場合の薬剤施用量と葉いもちおよびイネミズゾウムシに対する防除効果を解明。
プロベナゾール剤を箱施用すると、薬剤施用量の減少とともに葉いもちに対する防除効果が低下する。一方、同剤を側条施用すると防除効果が安定する。
イネミズゾウムシに対する防除効果でも、殺虫剤を箱施用すると防除効果が顕著に低下する場合があるが、側条施用では安定することがわかった。
参考リンク:秋田県