高密度播種と全量施肥の組み合わせで水稲育苗の大幅省力化。

熊本県農業研究センターが、育苗の省力化と施肥量の削減を同時に実現する技術を開発。
通常より深い苗箱を使い播種量を増やし、水稲育苗箱全量施肥栽培を組み合わせる。

高密度播種は、苗箱への播種量を増やすことで育苗箱の使用枚数を減らし、移植までの作業軽減をする技術。水稲育苗全量施肥栽培は、播種の際専用肥料を育苗箱に施用し、元肥や追肥作業を省略できる技術。
元々別個に実用化されている2つの技術を組み合わせたところ、1箱あたりの肥料の使用量が増えたため通常の育苗箱(深さ3cm)では収まらなくなり、深さ4cmの育苗箱を用意した。
試験栽培は「ヒノヒカリ」で行い、1箱あたり250gを播種。肥料は1箱あたり2.25kgを箱底に施肥。10aあたりの育苗箱数は慣行栽培(20箱)に比べ、6割減の8箱ですんだ。また、移植時には苗に沿って局所施肥する形となり、本田への施肥が不要になるため、窒素施肥量を1割削減することができた。
慣行栽培に比べ床土が少なく、乾燥に注意が必要になるが、作業負担やコスト削減が期待される。

参考リンク:試験研究情報(AGRIくまもと)