レタス黒根病には、土壌還元消毒が有効。
レタスに伝染すると外葉の黄化や生育遅延が認められ、症状が進行すると結球葉が萎れて小玉化するなどの症状が出て、根腐病などの別の土壌病害を併発して重症化すると根全体が黒色に変化する「レタス黒根病」。国内では2018年5月に群馬県で初めて確認され、2019年6月までに静岡県、長野県、茨城県から特殊法が出されている。病原菌は不完全菌類の糸状菌で土壌伝染し、レタスの他にタバコ、ミツバ、スイートピー、パンジー、ゼラニウム、オクラ、インゲンマメなど15種類の作物での病害が報告されているが、登録農薬がなく、これまで防除対策としては連作を避ける、農機具類の洗浄や土壌の流出を防ぐなど拡散を防止する対策が取られてきた。
土壌還元消毒とは、土壌中に有機物と多量の水を投入し、土壌の中に住む微生物を使って還元化することで病原体を消毒する方法。これまで、青枯病菌などを消毒できることは知られていたが、千葉大学の研究者により、土壌還元消毒された土壌はレタス黒根病菌に対しても有効であることが確認された。
参考リンク:日本土壌微生物学会