カンキツウイルス診断キット開発。早期発見で感染拡大防止に期待。

かんきつ類に感染し、果実の糖度低下など品質低下や収穫量減少につながる病害「カンキツウイルス(CiMV)」。現在感染した樹木からウイルスを除去する方法は存在せず、感染被害の拡大を阻止するためには感染樹の早期発見が重要。
感染発見にはウイルスに対する特異抗体を利用したウイルス診断キットを用いるが、市販されている診断キットでは愛媛県の柑橘農家で感染が問題になっている「カンキツモザイクウイルス(CiMV Az-1系統)」の検出が困難。
愛媛大学、富山大学、愛媛県農林水産研究所果樹研究センターによる研究グループは、CiMVを高感度で認識する3種の異なる抗体遺伝子の取得に成功。これらの抗体(モノクローナル抗体)が感染した葉の中にあるCiMVやその近縁のウイルスを検出できることを確認。
取得されたモノクローナル抗体を利用することで、カンキツウイルス診断キットの開発が可能となる。すでに簡易キットの製作とCiMVの検出に成功。今後、診断キットの利用により感染樹の早期発見と感染拡大の防止が期待される。

参考リンク:愛媛大学