株枯(かぶかれ)病に強いイチジク開発を効率化するためのDNAマーカー開発。

土壌微生物が原因で起こる病気で、苗木の移植などにより感染が拡大。発病すると成木でも短期間で枯死してしまうため、イチジク生産に大きな被害をもたらす「株枯(かぶかれ)病」。近縁野生種で株枯病に対する強い抵抗性を持つイヌビワと交配させることで、株枯病抵抗性をイチジクに導入する試みが進められている。ただ、これまで交雑の困難さに加え耐病性の判定に時間と労力がかかっていた。そこでイヌビワのゲノム配列の解読と解析をかずさDNA研究所が行った。2017年にイチジクのゲノム解読は完了しているため、今後の品種改良の効率化が期待される。
まずイヌビワのゲノム配列データを収集し、配列を解読。イチジクとイヌビワの戻し交雑第1世代を用い、ゲノム上の同じ領域にある配列の違いを比較し、株枯病真正抵抗性の候補遺伝子を同定するDNAマーカーを開発。これにより、イヌビワの株枯病抵抗性を持ったイチジクの系統を幼苗段階で選抜が可能となった。