暗渠管と疎水材を自力で設置できる機械を開発。

トラクターに牽引させ、縦溝を掘ると同時に暗渠管と疎水材(水を暗渠管に流すための資材)の施設を行う暗渠敷設機を、農研機構と北海コーキが開発。
石礫の多い圃場でも、溝掘り〜施設までを1工程で済ますことができ、作業時間は100メートルあたり10分程度。

排水性の劣る転作田では、畑作物の収量確保が難しく、また集中豪雨が増えている中で、排水対策の重要性が増している。排水性を改善する対策技術としては暗渠があるが、施工する労力や費用負担が大きく、主に公共事業での整備が進められてきている。
暗渠敷設機「カットドレーナー」は、90〜150馬力の大型トラクターやブルドーザーに牽引させて使用。V字刃で土壌に溝を切る。溝の上端での幅は最大で80cm。同時に開削した縦溝に内径5cmの暗渠管と、籾殻や木材チップからなる疎水材を敷設。最大80cmまでの深さで敷設することができる。
厚い礫層や埋木がある農地では使えないが、直径30cm未満の石礫が1割未満であれば使用可能。また、泥炭や軟弱で粘質な土壌では施工できない場合もある。
希望小売価格は308万円だが、地域内での共同利用やレンタル利用なども提案していく。

参考リンク:プレスリリース(農研機構)