ヒートポンプの熱交換率、水中設置で大幅向上。
農業施設では冷暖房や除湿に、エネルギー消費とランニングコスト削減のため空気中や地中から熱交換をするヒートポンプが導入されている。農研機構は、より交換効率の良い水中へのヒートポンプの設置に関する研究から、土中設と比べて約15倍以上の効率で熱を交換できることが分かった。
農村地域には、農業用水路やため池、井戸など流れのある水施設がある。農研機構はそれらの実物大の模型にシート状の熱交換器を設置し、熱交換効率の違いを確かめた。その結果、熱交換器を流水中に設置すると、冷房、暖房のどちらで運転した場合でも、静水中設置の約2.5倍、土中設置の約15倍の熱交換効率が確認された。
農村地域では、都市化の進展で住宅や商業施設などが農地と隣接していることが多くなっている。この技術は、農業施設以外の施設での利用も期待される。今後は水路への影響や藻類、水草への対策、維持管理コストや耐久性などの検証が必要。