パイプライン漏水位置と量の推定手法が開発される。

農業用パイプラインの漏水位置と漏水量を高精度で推定する手法を、農研機構と東京大学大学院農学生命科学研究科の研究グループが開発。同グループによると、簡単なバルブ操作により特殊な圧力波を発生させ、その波形の変形から漏水の有無、位置および量を推定することができる。模型実験による検証では、漏水位置で0.2〜1%の精度、漏水量で0〜17%程度の誤差で推定できたという結果が出ている。
農業用パイプラインは、全国の基幹的な水路だけで17,000kmほど設置されている。設置後30年以上を経過したものも多く、老朽化が進み漏水事故も多発している。これまで農業用パイプラインでは調査用設備がほとんどなく、漏水状況を把握するには様々な困難があった。今回開発されたこの手法を使うことで、小規模な管水路でも定期的な機能診断が可能になる。同グループは今後、ゴミ詰まりや通水異常の検知に加え、水利用状況の監視も可能な技術へと発展されることを目指す。