米原料の生分解性樹脂を使った肥料被覆材。
食用に適さない米(非食用米)から作られたバイオマスプラスチックを用いた緩効性肥料の被覆材が開発された。
天然由来の成分で構成され肥料成分溶出後に水とCO2に分解するため、土壌汚染や河川・海洋への流出汚染などの課題解決につながると期待される。
肥料成分の表面を被覆加工した緩効性肥料は、作物の生育に合わせて必要な量の肥料成分が溶け出すように制御できる。被覆材のほとんどがポリエチレンなどの石油由来のプラスチックでできているため、肥料が溶け出した後も土壌中に残留し、その一部が圃場外に流出することで海洋プラスチック汚染につながる。
米を原料とした生分解性樹脂は自然界に存在する微生物によって分解される。この樹脂に、海面制御技術による肥料成分の溶解速度を制御する機能を付与し、あらたな肥料被覆材の開発に成功。
生分解のスピードは米の含有率を変えることで調整が可能となり、50%含有では埋設後70日程度で分解される。
土壌汚染や海洋汚染の課題解決につながると期待されており、2027年の実用化を目指す。