線状降水帯の予測、市町村単位に強化。
気象庁が2029年度に運用開始を目指す気象衛星「ひまわり」10号は、最新の観測センサ「赤外サウンダ」を搭載。範囲が広く精度の低い線状降水帯の予測が、市町村単位に狭められると期待される。
「ひまわり」10号は、現在運用中の8号/9号の設計寿命が2029年に迎えることを受け、準備が進められている。2023年度から製作を開始する予定だったが、円安に伴う輸入部品の高騰が予想されるため、前倒しし、年内にも着手する。
雨雲の発生や台風の進路を正確に予測するためには、海上の水蒸気量の把握が重要となる。国内1,300ヵ所に地域気象観測システム(アメダス)が設置されており、陸上の水蒸気量は測定できているが、海上にはなく、また宇宙からは雨雲を平面的に捉えることしかできない。10号に搭載が予定されている新しい観測センサ「赤外サウンダ」では、大気中の水蒸気を3次元での観測が可能となる。これにより現在全国を11のブロックで区切っていた線状降水帯の予測範囲を市町村単位にまで狭めることが可能になる。
参考リンク:線状降水帯に関する各種情報(気象庁)
画像:ひまわり8号9号(気象庁ホームページより)