「スマート農業実証プロジェクト」2年間の実証成果。

2019年度から始まった「スマート農業実証プロジェクト」の初年度に採択した69地区について、2年間の実証成果がまとめられ、課題は、高額な導入費と費用対効果の見極めとなった。

2019年度の実証では、水田作、畑作、露地野菜など48品目、スマート農業技術は畑作、施設園芸など39地区で現場実証を実施。
水田作では、自動運転トラクターや直進アシスト機能付き田植え機などが作業効率や速度を高め、労働時間の多い耕起や代かき、移植の時間を削減するなど大きな効果を生んだ。実証区数は発表されなかったが、導入した地区では作業時間を導入前より18%削減。
水田ごとの収量が把握できる収量コンバインや、データに基づいて施肥量を変える可変施肥が効果を発し、低収量の水田の把握や肥培管理、品種構成の見直しにつながったことで、単収の向上がみられた。
その一方、さまざまな機械を導入する必要から、経営収支が赤字になった経営も2件出た。中山間地で水稲を15ha栽培する集落営農法人では、労働時間の削減はできたものの、機械・施設費が実証前の4倍超に増え、10aあたり1万8,700円の赤字となった。また、利益が減っている実証区もあるため、費用対効果や導入メリットのある経営規模の目安が今後必要となってくる。

参考リンク:「スマート農業実証プロジェクト」について(農林水産技術会議)