麦類赤かび病、広域で多発の恐れ。

糸状菌(かび)の一種に起因し、主に穂に感染する麦類の最重要病害「赤かび病」。
北陸、東海地方で平年より「多い」と予想。岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県は注意報を発表。
北東北、関東、近畿、中国、四国では「やや多い」と予想。

注意報が発表された地域では、昨冬から今春にかけ早期に気温が上昇。今後降水量も多く日照時間が少ない見込みのため、赤かび病菌の胞子飛散、感染に好適な条件になる可能性が高い。小麦と六条大麦は開花期から10日間程度の間が最も感染しやすく、この時期に降雨が続き、気温が高いと多発しやすい。
防除対策としては、小麦は開花始め〜開花期に、赤かびに弱い六条大麦は開花始め〜開花期とその7〜10日後頃に農薬を散布する。また、農薬散布後に気温が高く、曇雨天が続く場合には、防除効果を高めるため、直前の散布から7〜10日後に追加防除を行う。
赤かび病菌は人畜に有害なかび毒「デオキシニバレノール(DON)」を産出。DONは摂取すると下痢や嘔吐などの症状を引き起こす。

参考リンク:病害虫発生予察情報(農林水産省)