和牛の高級部位が輸出好調。
和牛のロースやサーロインなど高級部位「ロイン系」の輸出割合が大きく伸びている。国内のロイン系生産量のうち、2021年は約2割が輸出に仕向けられた。
2021年の牛肉輸出数量は7,877t、輸出額は過去最高の約537億円。ロイン系は全体の6割弱を占める4,546t(前年比+76%)と大きく伸びた。輸出されたロイン系を全て和牛と仮定した試算では、2021年のロイン系の輸出割合は前年比で+8ポイントの20%となった。
和牛の高級部位は、国内ではコロナ禍により主な販路となる飲食店やホテル向けなどの需要が長期に渡って低迷している。一方輸出では、レストランなど業務需要に加え、EC(電子商取引)サイトなどでの家庭向け販売が伸びた。2021年の枝肉相場はコロナ禍前とほぼ同水準で推移しており、好調な輸出が国内の相場を下支えしている形になる。
輸出を重要な販路と捉える産地では、高度な衛生管理を実施し欧米など海外向けの輸出施設認定の取得や、引き合いが強まる家庭向けの小割加工用のレーンを新たに整備するなどの動きが出てきている。
参考リンク:畜産物の輸出促進対策について(農林水産省)