茶害虫を素早く検出するAI開発。

粘着トラップの画像から茶害虫の「チャノコカクモンハマキ」成虫を検出するAIを、三重県農業研究所が開発。目視によるカウントに比べ、計測時間を平均94%短縮させることが可能になる。

茶害虫の防除では、防除時期の判断材料として茶園における害虫発生状況のリアルタイムな把握が必須。フェロモン剤使用の粘着トラップを茶園に設置し、捕虫した害虫の識別やカウント調査が行われるが、目視による調査では多くの労力が必要になる。
そこでディープラーニングに基づく物体検出・認識アルゴリズムを持つAIに着目。トラップの画像210枚を使いチャノコカクモンハマキ成虫をAIに学習。1画像あたり平均324匹写っているトラップ画像から虫数をカウントさせたところ、平均4.2秒で計測できた。人間が目視でカウントした場合には平均71.7秒。目視では虫数が多いほど時間がかかったのに対し、AIでは画像内の虫数にかかわらずほとんど変化がなかった。
この技術は、AIに他の害虫の画像データを学習させることで、他の害虫にも応用できるものと期待されている。

参考リンク:成果情報(PDF)(三重県農業研究所)