2020年農業総産出額は0.4%増の8兆9,333億円。
2020年の農業総産出額は、主食用米の需要減少や肉用牛のコロナ禍による需要減退から価格が低下した一方、天候不順や巣ごもり需要の増加から野菜や豚の価格が上昇したことを受け、前年比+0.4%(395億円増)の8兆9,333億円となった。対前年比で増加となったのは3年ぶり。
・米は、主食用米の需要減少を受け転作などの取り組みが進められ、2015年から5年連続で産出額は増加していたが、2020年は作付面積の削減が進まなかったことや、コロナ禍で中食・外食需要の減少などがあり、前年比−5.7%(993億円減)の1兆6,433億円。
・イモ類は、北海道での日照不足で馬鈴薯が、また鹿児島県・宮崎県でさつまいも基腐病拡大などが影響し価格が上昇。前年比+19.0%(378億円増)の2,370億円。
・野菜は、春先の低温や夏の長雨・日照不足からトマト、ネギ、ゴボウなど多くの品目で生産量が減少。また、コロナ禍の巣ごもり需要から冷凍野菜やカット野菜、野菜惣菜の需要が増加し価格が上昇。前年比+4.5%(966億円増)の2兆2,481億円。
・果実は、好天によりミカン、リンゴの生産増で価格が低下した一方、日本ナシ、ブドウ、モモは天候不順から生産減で価格が上昇。前年比+4.1%の8,741億円。
・肉用牛は、コロナ禍で外食需要・インバウンド需要が減少したが、和牛の生産頭数は増加したため価格が低下。前年比−6.3%(495億円減)の7,385億円。
・豚は、巣ごもり需要と消費者の節約志向から引き合いが強くなり、価格が高く推移。前年比+9.2%(555億円増)の6,619億円。
他、減少したのは「鶏卵」−0.1%(3億円減)の4,546億円、「茶」−21.6%(113億円減)の409億円、「花き」−5.6%(184億円減)の3,080億円。
増加したのは「ブロイラー」+3.2%(111億円増)の3,621億円、「生乳」+2.2%(169億円増)の7,797億円。
参考リンク:令和2年農業総産出額(農林水産省)