害虫の飛翔位置をモデル化し3次元位置を予測する技術を開発。
カメラの画像から飛んでいる害虫の3次元位置を検出し、その動きを予測する技術が開発された。予測された位置に高出力レーザーを照射して害虫を駆除する新しい害虫防除システムの開発につなげる。
空中を飛び回る害虫を効率よく駆除することは、これまでの防除方法では不可能。これを可能にするため、害虫を高出力レーザーで駆除する技術の開発が進められているが、ピンポイントで害虫の位置を把握し、位置の検出から駆除までのタイムラグが問題だった。
実験では、ハスモンヨトウをステレオカメラで1秒間に55回の間隔で撮影。3次元飛行軌跡を計測。ハスモンヨトウは夜行性のため、暗い中での撮影に見られるノイズなどをリアルタイムで除去し、ハスモンヨトウだけを検出するが、この処理のため0.03秒ほどのタイムラグ(2〜3cm以上移動するだけの時間)が発生し、レーザーが命中しない。
そこで、飛行パターンをモデル化し、計測される位置と組み合わせることで飛行位置を予測。レーザー狙撃できるシステム開発を行った。
2025年までに開発された技術を用い、レーザー狙撃で害虫を駆除する技術の実用化を目指す。
参考リンク:プレスリリース(農研機構)