荒廃農地28万ha、うち再生が困難な農地の割合は過去最多の68%に。

耕作放棄で作物が栽培できなくなった「荒廃農地」の2020年の面積は、前年比2,000ha減(−0.7%)の28万2,000haとなった。このうち「再生利用が困難と見込まれる」荒廃農地は約19万2,000ha(農用区域では約8万1,000ha)。対前年比+0.4%、2008年の調査以来最高の68%に上った。

荒廃農地は、聖地や抜根などをすることで農地として利用できる「再生利用可能な農地」と林地化が進むなどした「再生利用困難な農地」の2種に分類される。
2020年の荒廃農地のうち、再生困難な農地は前年と変わらず19万2,000haだったが、再生可能な農地は前年比−1%の9万ha。再生困難な農地の割合は、調査開始初年の2008年には48%だったが、増加傾向が続いた。これは、高齢化や担い手の減少、受け手不足などの要因で耕作放棄された農地の荒廃化が進み、再生利用可能な農地が再生利用困難な農地に移行していると考えられる。
2020年に新たに荒廃農地になった面積は2万4,000haあるが、林地化の進行で非農地と判断されたり、工場用地、宅地、太陽光発電パネル向け用地などへ転用されたため、1万8,000haが荒廃農地から外れている。また、8,000haは再生利用によって荒廃農地から外されている。

参考リンク:プレスリリース(農林水産省)