「歩行用トラクタの危険挙動に対する安全技術の開発」「乗用農機の安全支援機能の開発」などの研究報告を公開

農業技術革新工学研究センターは、農業機械の安全性に関する研究結果を公開した。

平成29年の農作業死亡事故件数は304件、就農者人口の減少や就農者の高齢化を考えると、実質状況は深刻化している。そのうち、歩行用トラクタによる死亡事故は年間 40~50 件、乗用トラクタ等とともに死亡事故が多い。

事故を防止するために、挟圧防止装置や、デッドマン式クラッチ等の安全装置が実用化されているが、安全装置が装着されていても事故に至った事例が報告されている。

対策として、挟圧防止装置及びデッドマン式クラッチの安全性向上技術や、ダッシング等の突発的な挙動を検出する手法を開発するとともに、旧式の乗用農機にも後付け可能な安全支援装置の開発や危険箇所接近警報アプリの改善を行っている。

また熱中症対策として、人の状態・環境等を把握できる手首装着型ウェアラブルセンサにより、各種農作業を行った際の作業者近辺の温度や湿度を基にした身体熱環境指数や、手首で検知したパルス数(脈拍推定値)を測定して、対象測定器の値との比較・評価なども行っている。