気候変動等による食料不足から、このままでは飢餓人口や食料不安が増大すると危惧されている。「環境負荷の多くは飲食から」。食料システムの変革が鍵に。
SDGsの目標2「飢餓の撲滅」を実現するには、食料生産システムの持続可能性を高める必要がある。国際研究チーム「EATランセット委員会」の報告書では、食事パターンの変更による食生活の見直し、食品廃棄量の半減などを提言。
イギリスの医学誌「ランセット」を中心とし、世界各国から参加した研究者37人からなる「EATランセット委員会」は、現在の食料システムは最も大きく環境を破壊していると言及。野菜と果物を多くとり、タンパク質は動物由来のものから植物由来のものを中心にすることで、温室効果ガスの排出減など地球環境に寄与できるとしている。
また、現在約20億人が健康に良くない食べ物を取りすぎ、それがもとで肥満や心臓病、糖尿病が広まっている。健康的な食事に変更することで、健康に関するコストは半減し、温室効果ガス排出の社会的コストも約4割〜7割削減されるとの試算もある。
そのほか、食品廃棄物の削減や環境負荷を低減する技術に投資する必要に言及。これらの活動によって、2050年に100億人の人間に供給することを目標としている。