ドイツ製自然分解するフィルム、日本の農家に猛アピール。
世界最大の総合化学企業グループ、ドイツの「BASF」が環境にやさしい自然分解するフィルムを、日本の農家に対して積極的に売り込みを始めた。廃棄に伴う手間もコストも減らせるうえ、このフィルムを使えば収穫量の増加も期待できることを猛アピールしている。
非常に多くの樹脂製品を取り扱っているが、特に大きな売り上げの伸びを見せているのが、8年前に開発した土壌生分解性プラスチック(マルチフィルム)「エコバイオM2351」。「エコバイオM2351」で作られたマルチフィルムは土壌に放置しても、土壌中に天然に存在する微生物が、代謝可能な食物としてフィルムを分解するため、収穫後にフィルムを土壌にすき込むことができる。
さらに、「エコバイオM2351」で作られたマルチフィルムは、一般的農法と比べてトマト収穫量を15~50%増加させ、水の消費量を減らし、除草剤を減らしながら雑草を抑制させることも可能にする。さらに、真菌病に対する作物の抵抗性が高くなり、収穫時期が早まるほか、品質が安定し、トマトの糖度が高くなることがわかっている。
一般に生分解性樹脂は石油由来製品と比べると製造コストが2倍以上かかるため、販売価格が高いことが普及を妨げてきたが、廃棄コストの削減と収穫増がねらえることで、農家にとっては導入へのハードルが低くなると思われる。