リコピンに食物アレルギー抑制の効果。

トマトなどに多く含まれる色素成分「リコピン」には食物アレルギー症状を抑える効果があり、そのメカニズムがマウスを用いた実験で解明された。

リコピンは抗酸化力が高く、血中の善玉コレステロールを増やす働きや、紫外線から肌を保護する機能を高めるなどの効果が知られている。
実験では食物アレルギーを持つマウスに対し、リコピンと、比較対象としてβカロテン、アスタキサンチン、ルテインをそれぞれ含むエサを4週間与え、大腸粘膜内の免疫細胞のひとつで、食物アレルギーを弱くする制御性T細胞(regulatory T cell:Treg細胞)の割合を調査したところ、リコピンのみがTreg細胞を増加させ、アレルギー症状が軽減された。
また、食物アレルギーが発症した際に増加するサイトカインIL-4、IL-9にも効果があった。IL-9は肥満細胞の増殖を促す事も知られているが、リコピン摂取で減少することが判明した。
実験から、リコピンがTreg細胞を増やし、食物アレルギー症状を抑制する可能性が見えてきた。Treg細胞はアレルギー症状だけでなく、多くの自己免疫疾患に関係しているため、それらの治療に応用されることも期待される。

参考リンク:京都府立医科大学