労働力がたりない青森のリンゴ農家、廃園相次ぎ、袋掛けも、輸出もできず。
リンゴ生産量ダントツ1位の青森県で、農家の高齢化や後継者不足により、廃園となるりんご園が増えている。2018年の放任園・管理粗放園は41haもあり、年々増えている。人の手の入らないりんご園は、黒星病の温床になるおそれがあり、危機感は募っている。労働力不足も重なり、りんご農家は苦境に立っている。
深刻な人手不足は「管理が行き届かずりんごが小玉になった」といったという声が上がるほどに。青森県内で生産された「ふじ」のうち、手間のかかる有袋栽培はここ20年で半減。
県やJAは昨年、農家の労力不足に対応するため、「援農隊マッチング支援事業」として、リンゴ栽培に必要な労働者の確保に力を入れている。市内のスーパーなどで募集を行い、JAが中心となり農家と就労希望者との間で日時や就業先を調整する仕組みだ。学生や主婦向けの短期アルバイトである。
一方、2018年のリンゴの輸出額は約140億円もあり、輸出の柱の一つ。しかし、市場の伸びが期待されるベトナム向けは手間のかかる「有袋栽培」が輸出の条件となっている。十分な労働力がない現在、袋掛けに手が回らない農家もあり、実際、有袋の出荷量は年々減少している。
2018年の全国の結果樹面積は前年比1%(300ha)減の3万6,200ha。青森県の結果樹面積は1万9,800haで前年より100ha減少し。ピークだった20年前より2割も減少した。