世界初、複数台の農機を遠隔操作する実証実験。

複数の農地で無人走行するトラクタ4台を、数十km離れた管制室から同時に制御する実証実験が北海道で行われた。遠隔操作で複数台を同時に走行させる実証は世界初。

無人走行するトラクタは、走行時に近場での監視を必要としない「レベル3」の農機。北海道岩見沢市に設けられた管制室から、7km離れた同市内の農地と、約40km離れた札幌市の農地3ヵ所に配置された農機を遠隔で監視・操作した。
農機は基本的に自動走行し、無人のまま倉庫などから圃場まで走行。岩見沢市の農場ではすき込み用のエン麦を借り倒す作業が行われた。
農機が自動走行するためには、高精度な測位が必要になる。これまでは衛星からの信号を受信する設備(固定局)を設置する必要があったため、費用や運用面で大きな負担となっていた。実証では、固定局の設置が不要となる新技術を利用し、低コストで高精度な測位情報の利用が可能になった。映像など農機と管制室との通信には、次世代高速通信規格の「5G」が用いられ、衛星からの電波が届きにくい場合には管制室からの遠隔操作に切り替える。
今後は実用化に向けて実験を続け、規模拡大が進んで人手不足になっても農家が営農をやめず、生産基盤を維持できるシステムの構築を目指す。

参考リンク:ニュースリリース(NTT)