イネの収量や品質を予測する「ゲノム選抜AI」が開発される。

良食味・高品質と高い収量性を兼ね備えたイネ品種の育成を効率良く・早く育成するため、農研機構は大規模なイネのデータベースを整備し、データの一部を利用して「ゲノム選抜AI」を構築。ゲノム情報から収量や玄米品質などを高い精度で予測することに成功した。

イネの育種を行っている6つの研究センターの、過去22年間に育成した668品種・系統を対象に、1991年以降に調査した、出穂期、成熟期、稈長、穂長、穂数、全重、収量(精玄米重)、玄米千粒重、玄米品質、食味などの試験データを収集。データの得られた品種・系統の全ゲノム塩基配列解析を実施。最終的に900品種・系統以上の全ゲノム塩基配列を解析。これらのデータの一部を利用して「ゲノム選抜AI」を構築。ゲノム選抜AIによる予測値と実測値を比較すると、多くの形質で高い相関を得ることができ、特に穂長、歩数、精玄米重、玄米品質を高い精度で予測することに成功。
ゲノム選抜AIを利用すると、苗の段階で得られるゲノム情報から多くの形質を予測できるため、交配から品種育成までの期間を2年程度短くすることが期待できる。今後は全ての研究データを用いたゲノム選抜AIの構築を目指す。

参考リンク:農研機構