イネは17.2年、小麦は20.5年。主要作物の種子、発芽試験の結果から寿命を推定。
農業にとって重要な植物の種子など遺伝資源を保存し活用する目的で、1985年から農研機構が行っている「ジーンバンク事業」。保存されている約19万点の種子の中から、主要な50種8万点を選び30年にわたって発芽試験を実施、寿命を推定した。
種子の寿命とは、気温氷点下1度、湿度30%の環境のもとで保存し、発芽率85%を維持できる年数。
イネは全体で17.2年。育成種と在来種では寿命が異なり、育成種は14.6年、東アジア在来種は14.8年だが、東南アジア在来種は24.9年、南アジア在来種は25.3年。
小麦は全体で20.5年。品種・地域によって寿命が異なる。育成種は20.6年、在来種は東アジアが29.0年だが、西アジアは14.3年。アルメニア小麦は12.7年、マカロニ小麦は13.6年。
二条大麦は全体で28.9年、サブサハラアフリカ在来種は14.7年。六条大麦は全体で31.0年だが、南ヨーロッパ在来種は77.7年と長い。
大豆は15.8年、インゲン豆は31.1年。ほうれん草は17.0年、キャベツは22.4年、オクラは24.0年。キュウリは127.1年、メロンは59.3年、マクワウリ41.2年など。
種子の寿命は、同じ種類でも育成種と野生種、原産地によって異なることがある。これらのデータは今後、高い発芽率の維持が可能な品種開発に役立てられる。
参考リンク:農研機構