鶏卵の輸出アジア向けが好調。7月までで9,000t超に。
鶏卵の7月までの輸出量が、統計のある1988年以降で過去最多だった昨年の総輸出量(8,651t)を上回る9,125tになったことが分かった。生食に向く日本産の安全性が受け、香港を中心にアジア圏などで家庭向け消費が伸びているためと見られる。
2019年の鶏卵輸出量を国・地域別でみると、香港向けが全体の9割を超える8,360t。家庭用のほか、レストランなどでの取扱いが増えている。内訳は家庭用が7割、業務用が3割。2020年は、香港での大規模デモや新型コロナウイルス感染拡大などによる外出自粛の影響で内食需要が高まり、1月〜7月の輸出量は前年同月比2倍の推移となり、計8,924t。
2018年10月には米国向けの輸出が解禁。2019年にはグアムへの輸出が開始され、現地の日本食スーパーでの販売もはじまっている。またシンガポール向けには、低コストで輸送できる船便での輸出が2018年から開始。海外への販路拡大が進む。
鶏卵の生産量は、2014年〜2019年にかけて5.5%増加。これは国内消費量の同期間での伸び率4.3%を上回る。2020年の需要量は前年比約2%減が見込まれるため、一層の輸出拡大に積極的に取り組む必要があると思われる。
参考リンク:農林水産省