ハダニ防除に天敵を利用し減農薬も期待できる天敵資材「バンカーシート」。

イチゴにつくハダニ類や、キュウリ・ナス・サヤインゲンなどにつくアザミウマ類、コナジラミ類などの害虫は、薬剤抵抗性が発達しやすく、農薬での防除が困難。「バンカーシート」は、これら害虫の天敵カブリダニ類を簡単に使用できるよう開発された天敵資材。

ナミハダニなどハダニ類はイチゴをはじめ野菜や果樹など多くの作物の葉に寄生、被害を与える。また、キュウリやナス、サヤインゲンなど多くの野菜に寄生するアザミウマ類・コナジラミ類は様々なウイルス病を媒介するなど間接的な被害も問題。これらの害虫は薬剤抵抗性を獲得するため農薬での防除が困難。有力な天敵としてはカブリダニ類があるが、放飼時期の見定めや農薬との併用が難しい。
「バンカーシート」は、カブリダニ類をシート内で増殖、長期間放出することができる簡易型の紙資材。カブリダニパック製剤を中に入れ、害虫の発生前に設置することで、計画的に放飼することが可能。シートに耐雨・耐水効果があり天敵の隠れ場所、産卵場所となる。また気温や湿度変化、薬剤散布の影響を緩和するなどの効果があるため、天敵製剤の定着が見込まれる。

参考リンク:農研機構