ネギネ(ネギネクロバネキノコバエ)生態解明などで防除体系が確立。
2014年に国内では埼玉県で初めて被害発生が確認された害虫「ネギネクロバネキノコバエ(ネギネ)」。発生当初は深刻な被害をもたらしたが、生態の解明や農薬登録がすすみ、防除体系が確立。
ネギネは幼虫がネギやニンジン、ニラなどの地下部に寄生する。中国ではニラの害虫として知られており、国内では埼玉県、群馬県で被害が確認されている。ネギネは地下の茎や葉の表面に寄生、食害が激しくなると外葉が枯れ、生育が悪化する。成虫の発生時期は3月中旬〜12月上旬だが、幼虫は9月以降に増加し、土中で植物に寄生、越冬する。
幼虫は地中の深い部分に寄生するため、土寄せ前までの防除が重要。ネギネは1世代が1ヶ月程度のため、3週間間隔での薬剤散布を行う。
農薬以外の防除対策としては、水が滞留しないよう排水路の確保を行う、出荷調整残渣を集積した上での土壌消毒剤の使用などが有効。また、ハネカクシ類の一部の品種がネギネを捕食することが判明しており、今後の研究では天敵としての活用が期待される。
参考リンク:埼玉県農業技術センター