「農林水産研究イノベーション戦略2020」策定。 スマート農業・環境・バイオの3分野を推進。(3)「バイオ政策」

食料・農業・農村基本計画に基づいた「農林水産研究イノベーション戦略2020」を策定。
「スマート農業」「環境」「バイオ」の3つを重点分野とし、研究開発の方向性を提示。それぞれの分野の取り組み第3回。

機能性食品の市場が世界的に拡大し、腸内フローラと食品の関係についての研究が活発化している。また、日本は有用物質を生産する遺伝子組換えカイコや木質バイオマスを活用したセルロースナノファイバーやリグニンの利用など世界に先行する技術を有する。今後は微生物などの生物機能を活用したバイオ素材・医薬品開発やバイオマス利用技術の研究開発・産業化が急拡大するとみられるなか、バイオ政策として、
①ヒトゲノムなどパーソナルデータと食データを連結、研究開発に活用。
②健康状況・体質に応じた「おいしくて健康に良い食」を提案するサービスの実現・国内外への展開を目指す。
③育種ビッグデータ、AIシミュレータと連動する育種プラットフォーム・アグリバイオ拠点を民間企業、公設試、育種家などが利用し、ニーズをとらえた育種の展開。
④農林水産物の遺伝子機能を解明、農作物などの未利用遺伝資源を活用した次世代植物の創出。
⑤カイコなど有用生物の機能を改良し、新たな機能性バイオ素材・動物医薬品などの商用生産を実現。
⑥国内におけるバイオものづくりの原料供給の完全国産化。
を挙げる。これら研究の企画段階から、業界団体、行政、標準化団体と連携し、標準化すべき技術を特定した上で研究。国内外の標準化に向けた活動に取り組む、としている。

参考リンク:農林水産技術会議