高能率除草機を利用した、水稲有機栽培を提案するマニュアルを公表。

化学肥料や農薬を使用した従来の農業は、作業効率がよく収量や品質の安定などが見込まれるが、消費者の食への安心・安全志向の高まりとともに、これらを極力使わない有機農法に年々注目が集まっている。
農研機構では2015年に「機械除草技術を中心とした水稲有機栽培技術マニュアル」を公開。研究会、研修会の開催など技術普及を推進。また、これまでの知見を生かし、3輪タイプの乗用型除草専用機「高能率水田用除草機」を開発。同機は除草装置を車体中央に配置し、イネや雑草の状況を作業者が目視でき、高速で欠株の少ない除草が可能。
この高能率水田用除草機と、水稲移植前の複数回代かきや深水管理といった耕種的抑草技術を組み合わせた雑草対策を中心に、圃場の選び方、育苗、病害虫対策から収穫後の圃場管理など最新の有機栽培技術を網羅した「高能率水田用除草機を活用した水稲有機栽培の手引き」が2020年3月1日に公開。安定的な水稲有機栽培の指針となるべく、現地試験に基づく経済性(生産コストや労働時間)の評価結果や生産者の声のほか、研修会や現地調査などで質問が多かった項目をQ&A形式などで解説。有機栽培の一助となることを期待。

参考リンク:農研機構