農機の盗難、9割超が乗用トラクター。

栃木県内であった農機盗難の被害状況を、宇都宮大学の田村孝浩教授が分析。9割以上が乗用トラクターで、6割が格納していたにもかかわらず被害にあっている。

農機具の盗難は、警察が把握しデータを公開している自動車盗難とちがい、台数や被害状況の正確なデータが公表されていないが、共済保険か保険金が支払われた事案について調査したデータが存在する。
2002年6月〜2021年4月までの約20年間について、栃木県農業共済組合から提供された農機具総合損害共済のデータ235件について分析。うち、車両盗難(窓ガラス・鍵などの破壊、付属装置の盗難を除く)は208件。このうち195件(94%)が乗用トラクター。スピードスプレイヤーやコンバインはそれぞれ1%程度となり、普及台数に関係なくホイール式の乗用トラクターが狙われている可能性がある。
盗難被害にあったトラクターの59.6%は車庫・格納庫、ハウス・納屋などに格納していた。防犯対策の状況が分かっているのは37件、うち施錠していたのは6件のみだった。
被害防止のためには、しっかりした格納先に格納し、車両と格納先への施錠徹底といった防犯対策をとる必要がある。

参考リンク:トラクター等の盗難について(農林水産省)