トマト防除、ミストで微生物農薬を散布する新技術。
トマトのハウスで通常冷房などに使う、ミスト噴霧装置を使って微生物農薬を散布する技術を岐阜県農業センターが開発。
10aあたりの作業時間は5分で、手作業による化学農薬散布の頻度を半分に減らしても十分な効果が得られた。
バチルス剤などの微生物農薬は、通常動力噴霧器(動噴)や暖房機の送風ダクトを使って散布するが、新技術ではハウス内の畝の上にワイヤを張り、ノズルを取り付けたチューブを75cm間隔で固定。株の上から散布する。動噴では散布に10aあたり1時間程度かかるところを、ミストでは5分程度で済むため、大面積を被爆なく一度に短時間で散布可能になる。
実証による灰色かび病の累積発病果率は、化学農薬だけを10日に1回散布した場合で5.2%。ミストでバチルス剤「エコショット」を1,000倍に希釈したものを週3回散布した場合、化学農薬の散布を20日に1回と半減させても3.7%に抑えられた。また、うどんこ病やすすかび病でも発病度を抑えることができた。
今後は環境計測と組み合わせた自動散布や他の種類の農薬への応用を検討していく。
参考リンク:岐阜県農業技術センター