品質管理に取り組む汚泥肥料生産業者をマップで見える化。

国内の未利用資源のひとつである汚泥肥料は、肥料成分の安定性や重金属などの有害成分含有の懸念から、農業者が利用に後ろ向きな印象を持たれている。
汚泥肥料の品質管理に取り組む肥料生産業者と製品に係る情報を地図上で公表する品質管理の「見える化」に、関東農政局が取り組んでいる。

汚泥肥料とは、下水処理施設で微生物を利用して水を浄化する過程で、微生物の死骸が集まり沈殿した汚泥を原料とした肥料。汚泥を乾燥、粉砕し、発酵させることで肥料にリサイクルする。汚泥肥料は、肥料原料の逼迫や肥料の高騰が続く中で注目を集めている。
汚泥肥料は窒素やリンなどの栄養分を豊富に含むが、排水に含まれていたカドミウムや水銀などの有害な重金属が肥料製造の過程で濃縮し、高濃度になっている可能性がある。
汚泥肥料の生産業者は、汚泥肥料中の重金属成分の分析や、品質管理に取り組んでいるが、その取り組みが周知されているとは言い難い。
関東農政局の生産業者マップは、生産者が自ら「情報提供シート」に情報を記載し提出。集められた情報を農政局のホームページ上で公開する。情報は肥料の成分や有害成分分析結果などが記載必須となっており、記載がない場合には公表されない。
今後は農業者や配合肥料メーカーが閲覧できるよう、集めた情報を公開していく予定。

参考リンク:関東農政局