子実コーン作付面積6割増加。
2022年産の子実コーン作付面積は1,839haで、前年より約60%増加した。
米価の下落と水田リノベーション事業で交付額が拡充されたことなどが拡大の要因とみられる。
作付面積は、各地で子実コーン生産に取組む生産組合が設立した「日本メイズ生産者協会」が8月25日に開催した設立記念シンポジウムで発表。都道府県別では、北海道が1,280ha(+35%)と最も多く、次いで宮城県の155ha(25倍)、三重県の80ha(16倍)が続く。
子実コーン生産拡大の理由としては、茎葉処理除草剤によりほとんどの雑草駆除が可能となり農作業が軽減できたこと、1メートル近く伸びた根が圃場の排水性を改善し、子実コーン後の大豆栽培の環境が良好になったことなどが上げられる。また、圃場に残った残渣のすき込みにより大豆の増収効果も出ている。
子実コーンで収量を高めるためには、豪雨に耐える明渠排水路の整備や、暗渠排水や地下灌漑などを備えた圃場の整備が重要となる。日本の濃厚飼料自給率は12%。1%上昇させるためには子実コーンで21万7,000tほど、単収10aあたり900kgで約2万4,000haの作付となる。24万haの子実コーン作付で10%の濃厚飼料自給率の確保が可能との試算も発表された。
参考リンク:飼料(農林水産省)