KDDIの通信障害、スマート農機にも影響。
7月2日〜5日に発生したKDDI(au)の大規模通信障害では、同回線を利用するスマート農業機器にも影響が発生。生産現場の省力化・効率化に欠かせないスマート農機、通信回線の安定的な確保が今後の課題。
自動操舵機能付きのトラクタは、利用する位置情報を携帯電話の回線を通じて取得する場合が多い。安定して直進し、正確に播種するためには自動操舵機能は必須で、大面積の播種や畝立てでは特に活躍する。それだけに作業を1人で行うような場合では、装置の不具合は死活問題となる。離れた場所からセンサーで水田の推移を監視するシステムでは、通信障害で水位データの取得ができず、メーカーに問い合わせが相次いだ。
ハウス設備の遠隔制御装置や家畜の分娩監視システム、農作業の記録を管理するスマートフォンのアプリなど、携帯電話回線でデータのやり取りをするスマート農機は多い。また、農業経営で従業員との連絡にも使われている。2021年10月には、NTTドコモでも大規模な通信障害が発生しており、この際もハウスの環境監視システムからのデータが送られず、ハウス内の状態を確認できない事態が起きている。
通信障害に対する対策は、現状では複数の通信会社との契約が考えられるが、費用がかさみ現実的とはいえない。スマート農機においても携帯回線はすでに欠かせないインフラとなっており、安定した通信環境の確保が通信事業者に求められる。
参考リンク:スマート農業(農林水産省)