中国が国内供給を優先。肥料原料が入手しにくく。

「リン酸アンモニウム」「尿素」など化学肥料の原料が、中国からの輸入がほぼ停止している状況、入手しづらくなっている。

日本が輸入しているリン酸アンモニウムの輸入量は2019年肥料年度で約50万t、尿素は同37万t。うち、中国からの輸入はリン酸アンモニウムの9割、尿素はマレーシアに次ぐ37%に上る。10月15日に輸出用肥料の成分検査を中国政府が強化して以降、輸入がほぼ停止している状況が続く。背景には、中国国内でのトウモロコシ飼料の大幅な増産や、穀物の国際相場高騰などを受け、中国政府が自国の肥料確保を最優先にしているためと見られる。
中国への依存度が高いリン酸アンモニウムは、モロッコなど原料調達の代替国の手配を進めているが、中国に比べて遠距離のため輸送コストが上昇、さらにコロナ禍で多くの物資輸送が滞っているため、原料が入手できても前年と比べて3倍以上高くなっているだけでなく、入手自体も難しくなっている。
ただ、国内にある程度の在庫があり、中国以外からの輸入も進んでいるため、例年供給している数量分については確保できる見通しだとしている。

参考リンク:肥料関係情報(農林水産省)