低コストなトマト接ぎ木装置を開発。
熟練技術が必要なトマトの接ぎ木作業の自動化・省力化・低コスト化を実現した接ぎ木装置を、農研機構と岩谷アグリグリーン、共和グリーンが開発。
開発機は、作業者が穂木と台木を1株ずつ回転テーブルに設置し、両苗を同時に斜めに切断。樹脂製テープで接合し、搬出用コンベアに苗を落とす。樹脂製テープにはゴムのような伸縮性があり、台木と穂木の直径差が0.6mmあっても接合が可能。粘着剤は使わずに超音波振動で摩擦熱を起こすことで樹脂を溶かす「超音波溶着」で接着する。樹脂テープは苗の生育に伴い徐々に溶着部分が剥がれて脱落するため、除去等の作業は不要。
開発機は1時間あたり450〜520本程度の作業ができ、熟練者(1時間あたり200本程度)の2倍以上の作業能率がある。また、接ぎ木から1週間後の活着率は熟練者と同等の90%以上。
苗木一本あたりの樹脂製テープの価格は、手作業用チューブの35〜50%、接ぎ木クリップの15%程度と低コストになる。
参考リンク:農研機構