生活困窮者の自立支援に農作業の体験が有効。

引きこもりや障害などを抱えている生活困窮者の就労に向けた、自治体や社会福祉法人などが就労体験の場を提供し、基礎的な能力の習得を支援する就労準備支援事業があり、この事業の農作業体験で、心身の状況やコミュニケーション力が改善したという調査の結果。

調査は支援事業を受託する201件に対し行われ、その中で活動に農業を取り入れた77件に支援を受けた人の変化の状況をとりまとめた。
農作業をすることで「良くなった」との回答では「精神の状況」が77%と最も多く、次いで「体の状況(65%)」、「生活リズム(64%)」、「コミュニケーション力(58%)」が続き、生活困窮者の自立支援に、農業が高い効果をあげることが判明。
栽培品目は野菜が中心で、農作業の内容は草取り、苗植え、収穫など。形式は作業請負や自主運営する農園、もしくはその両方を組み合わせたもの。今後の意向では「現状維持(48%)」、「拡大したい(34%)」など前向きな回答が多い一方、79件で農作業の活動に「取り組んでない」「取り組むつもりがない」と回答。取り組まない理由としては「技術がない(43%)」、「農地などの確保が困難(39%)」、「施設や器具がない(38%)」などが挙がった。