葉の食べ痕から昆虫を判別する方法が見つかる。

植物につけられた昆虫の食べ痕からDNAを採取し、食害した昆虫を特定できることを、京都大学、神戸大学による研究グループが明らかにした。

昆虫は植物をエサとする種が多く、植物と昆虫の関係を明らかにすることは生態系を理解する上で欠かせないが、実際に昆虫が植物を食べているところを観察する機会は限られている。昆虫が植物を食べると、その痕に昆虫の「唾液」のような分泌物がある程度の期間残っていると予想され、その中から昆虫のDNAが検出できると考察。
実験ではカイコに食害させた桑の葉の表面からDNAを集め増幅、その配列を調査。結果、食害者であるカイコのDNAが検出できることが分かった。また、野外で採集したベニシジミの食べ痕がついた葉からも、同様にDNAが検出できることを確認。食害の痕から採取したDNAで食害した昆虫を特定することが可能であることが分かった。
今後は広い農地で農作物の食害昆虫を把握することや、絶滅に瀕した昆虫がどの植物に依存しているかを確認することなどに役立つと考えられる。

参照リンク：神戸大学