ゾウムシが嫌がる天然の香り成分を特定。

オリーブの害虫「オリーブアナアキゾウムシ」が避ける天然物質9種類を特定。
いずれもアロマオイルなどに使われる、香りのある油状の物質で、人体への影響は少ない。

オリーブは19世紀の終わり頃日本に輸入され、1908年以降小豆島を中心に栽培が行われている。オリーブアナアキゾウムシは、地中海には存在しない日本固有種でオリーブの重要害虫。成虫が木に穴を開けて卵を産みつけ、幼虫が樹皮の裏側を食害する。
城西国際大学のキャンパスがある千葉県東金市は、2013年ごろからオリーブの産地化に力を入れているが、オリーブアナアキゾウムシによる食害に悩まされている。オリーブに使える農薬は1種登録されているが、オリーブアナアキゾウムシに対する防除効果は低く、また生態系や人体に与えるリスクがある。
研究グループは、忌避効果がある天然物質の同定に着手。ペットボトルで自作した虫の反応を調べられる装置を用いて室内で試験したところ、忌避効果のある9種類の天然物質を同定した。
同定された9種のうち「リモネン」「メントール」「シトラール」など8種類はアロマオイルなどとして市販されている。
9種類の物質は忌避剤として特許を取得し、屋外での忌避効果を検証している。今後は農薬として開発し、登録を目指す。

参考リンク:NEWS(城西国際大学)