コシヒカリ小売価格、産地の出荷価格・流通経費の上昇と比べ、小幅な上昇に。

2020年9月以降、24ヵ月連続で前年同月を下回っていた東京都区部の「コシヒカリ」小売価格が上昇に転じた。ただ、産地の出荷価格や流通経費の上昇に比べ小幅な上昇に留まっている。

小売物価統計調査による東京都区部10月のコシヒカリ(5kg)価格は前年同月比36円高/+1.6%の2,284円。2022年産の新米が出回り始めた9月(5円高/+0.2%)に続き、2ヵ月連続で前年を上回った。コシヒカリ以外も37円高/+1.8%の2,114円となり、こちらも2ヵ月連続で前年を上回っている。
9月の産地と卸間の相対取引価格(60kg)は、全銘柄平均で1万3,961円となり前年より5.3%高い。また流通経費も上昇しており、米卸の原料代と流通経費(精米5kg)の上昇分は100〜158円。出荷価格と流通経費の上昇分に対し、小売価格の上げ幅は小さく、コストの上昇が十分に反映されていない状況。
原料米の取引価格が上がってきていることから今後小売価格も上昇するとの見方もあるが、コメ需要が低下する中、どこまでコスト上昇を踏まえた価格形成が進むかが焦点となると思われる。

参考リンク:小売物価統計調査(総務省統計局)