加工食品の原材料では国産の割合は減少傾向。
加工食品の原材料に占める国産の割合は、近年のピークだった1990年の82%から25年間で66%にまで減少。食品製造業が大ロットや低価格を重視し、輸入品を選択している状況が浮かび上がった。
加工食品の原材料として使われる農林水産物・食品は、最新の統計である2015年の時点で8兆4,550億円。うち国産品は全体の66%にあたる5兆6,050億円。25年前の1990年は全体で10兆5,130億円。うち国産品は82%の8兆5,930億円に上っていた。国産品の割合は、この1990年をピークに減少の一途をたどっている。
1990年から2015年にかけては、デフレ経済の中コンビニやファストフード店の急増など外食・中食産業の成長に伴い、周年調達ができコストの小さい業務用野菜や牛肉・豚肉などの輸入量が増えている。2000年代以降には各国との経済連携協定(EPA)発効が相次ぎ、輸入関税が引き下げられたことも影響したと考えられる。
国産品はロットの確保が難しく、原料の安定供給の面で輸入品に劣る面があるが、円安の進行や輸入農産物の高騰など、国産原料の割合を高める追い風が吹いている。輸入小麦から国産米粉への切り替えなどを促進するためには、大胆な政策支援も必要となる。
参考リンク:産業連関構造調査(農林水産省)