農研機構と北海道のメーカーがV字溝を掘って土壌改善する「全層心土破砕機」を開発、農地の地耐力・保水力強化。
農研機構農村工学研究部門と北海道北見市の農機メーカー、北海コーキは、土壌の物理性改善を目的とし、土中にV字の溝を作る全層心土破砕機「カットブレーカー」を開発した。土をV字に切断して持ち上げながら破砕し、落下させて溝を作る新たな方法を採用。農地の透水性と通気性を高め、作物の生育や作業性の改善を狙う。トラクタで引っ張る作業機で、2020年1月の発売を予定。
作業機は、土中40~60cmを底としたV字に土壌を切り、破砕した土の溝を作る仕組み。従来のサブソイラーなどとは異なり、面的に施工できるのが特徴。農研機構によると、石れきの多い農地でも深い施工が可能で、V字の溝の横には堅い土層が残るため地耐力や保水力を維持できる。畑地で2、3年維持している農地もあるという。
試験2年目となる北海道鹿追町ではジャガイモの増収効果、水田転換畑で試験した秋田県では大豆の増収効果を、いずれも確認している。今年から石川県でも実証を始めた。