エノキタケ、ブナシメジの病害「わたかび病」の菌を発見する寒天培地を開発。

エノキダケやブナシメジに発生する「わたかび病」の菌を効果的に分離できる新しい選択培地と、検出手法が開発された。

エノキタケやブナシメジの栽培施設でわたかび病が発生すると、生育不良や品質低下につながりロスビン率が上がる。わたかび病菌が生産施設のどこで発生しているかを特定する必要があるが、原因菌の検出のためにこれまで使用されていたPDA培地では青カビや他の雑菌も検出してしまい、判別が不可能だった。
一般害菌の分離に使用する「改変ローズベンガル・クロラムフェニコール(RBC)培地」の組成を再検討し、わたかび病菌以外の菌の生育を抑制、わたかび病菌が生育できる抗菌剤を組み合わせた「RM3培地」を開発。RM3培地を用いてキノコ栽培ビンや床、壁などを綿棒で拭う/空中に浮遊する菌を採取するため10分間シャーレの蓋を開けるなどして検体を採取。20度で培養すると7日以内にわたかび病菌の検出ができる。
RM3培地は、わたかび病菌以外にも菌床トリコデルマ病菌や桃色かび立枯病菌などの検出にも利用できる。
RM3培地を開発した長野県野菜花き試験場では、県内約20戸の農家にRM3培地を提供。県内限定で普及させるほか、県外へは培地の成分や研究データの情報を提供する。

参考リンク:長野県野菜花き試験場