イネ科雑草の出穂期に飛来確認。斑点米の原因クモヘリカメムシ。

西日本全域から関東・南東北の太平洋岸で主に発生し、関東・東海地方の斑点米被害の主要種「クモヘリカメムシ」が、富山県で急速に発生量と分布域を広げている。

クモヘリカメムシは飛来後、年間に2世代発生し、水稲収穫後はイネ科の雑草を餌に成育。越冬する第2世代の成虫が出穂期頃の水田に侵入、登熟期間を通して側部しみ状粒と側部斑紋状粒を多く形成。富山県では2019年度まで発生量も少なく、分布も局所的だったが、2020年度はすくい取り虫数、確認地点率とも過去最高を記録。
カメムシ類の防除に使用されている系統の異なる4薬剤(ネオニコチノイド、スルホキシイミン、フェルニルピラゾール、ピレスロイド)について、富山県農林水産総合技術センターで成虫に対する殺虫効果と残効期間を検証。殺虫効果の検証では、成虫に直接薬剤を噴霧し殺虫効果を調査。4種とも噴霧後72時間で死虫率が90%以上となり、高い殺虫効果があった。残効期間の検証では、薬剤を処理したイネに一定期間の間隔で成虫を放飼。4種とも降雨なしの条件で7〜9日間程度の残効があった。
クモヘリカメムシは、イネ科植物の「穂」を食べるため、発生源を作らないためにはイネ科雑草を出穂させないよう雑草管理を行うことが重要。

参考リンク:農研ニュース(富山県農林水産総合技術センター)