樹脂被覆肥料の脱プラスティック化へ向け検証。

粒状肥料の表面をプラスティックでコーティングした「樹脂被覆肥料」は、自然界にマイクロプラスティックを排出する恐れがあるため、代替素材を使用した肥料による検証が滋賀県で行われている。

樹脂被覆肥料は農地にまかれると、水分が徐々に浸透し、ゆっくり中身の肥料が溶け出す仕組み。肥料が溶け切ると、プラスティックの殻だけが残る。紫外線などで分解されるが、完全な分解には数年以上かかり、水田などでは水を出し入れする際に河川へ流出することが懸念される。
プラスティックの代わりに硫黄でコーティングした「硫黄被覆肥料」や時間をかけて分解される「ウレアホルム肥料」などの「プラスティックレス肥料」を使用し、水稲の収量や品質を調べる検証が行われた。早生のコシヒカリでは樹脂被覆肥料を使用したイネと比べても茎数や草丈は同程度で、育成に大きな違いは出なかった。また、玄米タンパク質含有量や整粒歩合も違いが出ないことが確認された。
今後は数年かけて中生や晩生の品種での検証が行われる。

参考リンク：滋賀県農業技術振興センター