水稲のばか苗病発生を抑制する、新たな生物農薬を開発。

イネの重要病害「ばか苗病」の発生を抑制する生物防除菌(生物農薬候補微生物)を東京農工大学大学院、ベトナムカントー大学などの国際共同研究グループが発見、新たな処理方法を開発。

イネの花器にばか苗病菌が感染し、種を汚染することで広がるばか苗病は、これまで化学農薬を用いた種子消毒法で防除していたが、耐性菌の出現が問題になっている。
そこで、ばか苗病を抑制できる菌をイネの花器に噴霧することで、ばか苗病菌の完成を抑制し、種子にもワクチンのように定着することで感染を抑制することができると考え、青森県、宮城県、ベトナムで実験を開始。健全なイネからフザリウム属菌を収集し、イネの種子に処理することで4種類のばか苗病を抑制できる菌を選抜。これをイネの花にスプレーで吹き付け処理を施し、その後種を収穫。収穫後の種をばか苗病菌の菌液に浸してから播種し、発症率を調査。結果、4種とも発病を抑制できることが判明。また、処理して得られた種を6カ月保存した後でも有効性が失われなかった。
今後は生物農薬として実用化を目指す。また、同様の防除法のイネばか苗病以外の病害への応用が期待される。

参考リンク:東京農工大学