生物殺菌剤市場は2020〜2027年にかけて、16%以上の成長と予測。
微生物を有効成分として含む殺菌剤「生物殺菌剤」は、真菌病原体の作物への拡散防止などで使用される。有機食品への世界的な嗜好の高まりにより、生物殺菌剤の需要は高まっている。世界の生物殺菌剤市場は2019年に約14億ドルと評価されており、2020年〜2027年にかけ16.1%以上の成長率で成長すると予想されている。
近年は環境問題に対する社会的な関心が高まり、化学合成農薬の使用を抑制し、天敵昆虫・線虫、微生物を利用した生物農薬を使用するケースが増えている。このうち細菌、糸状菌などを利用した生物殺菌剤は、病原菌を直接攻撃するのではなく、植物の表面で住む場所の奪い合い(競合)をし、病原菌の定着を防ぐという働きをする。
有機栽培作物への関心は世界的に高まっており、有機食品の世界的な売上高は2000年で180億ドルだったものが2018年には950億ドル増加している。有機食品市場の拡大により、植物の成長を助け土壌の健康を維持する自然なアプローチとしての生物殺菌剤の使用も増加し、2020年〜2027年は16.1%以上成長するとの予測がされている。
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