独バイエル、「ラウンドアップ」の発がん性めぐる訴訟で和解。約1兆1,600億円を支払う。

除草剤「ラウンドアップ」の影響でがんになったとドイツの化学大手バイエルが訴えられた訴訟で、原告約10万人を代表にして和解に至ったと発表。訴訟解決に96億ドル(約1兆176億円)、今後の訴訟のために12億5,000万ドル(約1,325億円)を充てる。

ラウンドアップは、グリホサートを主成分とした除草剤。2018年にバイエルに買収された米モンサントの商品で40年以上にわたり販売されている。発がん性をめぐって約12万5,000件の訴訟が起こされており、原告たちはラウンドアップのグリホサートのせいでがんを発症したと主張。2018年8月には米カリフォルニアの裁判所ががんとの関連性を認め損害賠償の支払を命じている。グリホサートは多くの除草剤で使用されているが、安全性に関して科学的な結論が出ていない。
バイエルは他に毒性のある化学合成物ポリ塩化ビフェーニル(PCB)による水質汚染に関する訴訟で8億2,000万ドル(約870億円)、ジカンバを主成分とした除草剤が農作物に被害をもたらしたとの訴訟で4億ドル(約420億円)を支払っている。